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ブログ再開しました!


by kanjokyoiku
先週、学位授与式(Commencement)のため妻のとんちゃんと二人でロサンゼルスへ。もう二度と一同に介することのないだろう先輩や同僚(とその家族)と再会し、旅立ち(Commencement)前の最後の貴重な時間を過ごしてきました。2010年に入学した18人の同僚のうち、入学時にサインした契約書に書かれた契約期間(5年)以内に博士論文研究を終えることが出来て博士号を取得した人は、昨年の春に4年で修了した米国人1人を入れて計6人。留学生では私が初めてでした(二番目に最強のルーマニア人の同僚。私の以前にUSC アネンバーグでコミュニケーション学博士号を取得した日本人の数については、今スタッフの方が調べてくれているとのことです)。

この5年間をまとめるには、まだちょっと早い気もするのですが(現にまだ博士論文をリバイズしております^^;)、今自分が感じていることなどを備忘録的に書いておきます。

この5年間、いろんなしんどいこともあったと思うのですが博士号をとった今振り返ってみるとまさに夢のような5年間でした。しんどかった記憶はおぼろげにあるものの、何一つイヤな思い出は存在しません^^;

この5年間で出会った人びとの存在なくして、今の私たちの生活を考えることができません。まさにLife-changing experienceと形容するのが一番いいのかな。とにもかくにも、このような機会を与えてくださったグロス先生、レイコフ先生、グッドナイト先生をはじめとする我が師匠たち、アネンバーグ財団、アネンバーグのスタッフの方々、しのぎを削り合った同僚や先輩/後輩、さまざまな面から応援してくれた友人たち、研究に協力してくれた方々、そして家族etc、には感謝の言葉もありません。

私が所属していたUSCアネンバーグは誰もが認めるように全米でトップランクの研究機関でした。これからは、博士号を5年で取得した今いるこの地点からどこまで遠くにいけるか。5年前の自分から見たら今の自分が当時の自分から想像できないくらい遠くにいるのか、それとも思うように伸びていないのかわからないけれど、これからの5年間をさらに濃密に過ごすことで、今の自分には想像できないくらい今よりも遠くにいたいと思います。アネンバーグで博士号を取得した人の中で、もっとも遠くまでいけるような人生を歩んでいきたいと思います。とにかく、大学の講義(と講義準備)の合間に博論のリバイズ頑張ります!
# by kanjokyoiku | 2015-05-21 01:29 | 大学院生活

Ph.D. in Communications!

怒濤の四月も終わりました。3月末に東京から引っ越し。1日に勤務先の日本の大学の入社式、7日から春学期の講義開始。22日に渡米、24日に博士論文の口頭試問に合格し、無事 Ph.D. in Communications (コミュニケーション学博士・南カリフォルニア大学)となりました!!南カリフォルニア大学(USC)アネンバーグスクールに来て5年。なんとか契約の期限内に当初の目標を達成することができました。帰国の便から大学の講義の準備に忙殺され、ようやくゴールデンウィークに突入。本日は運転免許を更新し、来月(明日)から通うことになるジムへの入会をすませました。明日は研究費のドラフトの〆切です。

これで当面の目標であった博士号を取得することはできたんだけれど、思ったよりも"So What?"(だからどーした?)という感じ。次の目標は、ムチャムチャ限られた時間の中で、この博士論文を修正してベストな最終稿を仕上げたのちに、さらに修正して名のある大学出版社から学術書として出版すること。博論を学術書として出版することが真のゴール。まだスタート地点に立ったという感じだけれど、どんなに道は遠くても、粘り強く頑張ります。まずは博論の修正とたまっている二つの論文をやっつけます!(その前に、研究費のドラフトか・・・!)
# by kanjokyoiku | 2015-04-30 21:12 | 日常雑記

第一稿提出

先ほど、博論の第一稿を提出した。ページ数は313ページ(参考文献含む)。博論の各論執筆ではジャーナル論文を書く感じでサクサクとやっつけていたけれど、いざConclusionとintroductionを書くとなった際に時間がかかってしまった。脱稿は3月19日だったんだけれど、提出がなぜ26日午前までにずれ込んでしまったかをハッキリさせておくと、全部のチャプターを読み返して整合性を整えたのに加えて、今回初めて使ったproofreaderの質が最悪だったという。仲のいい米国人の友人の紹介でproofreaderを紹介してもらったんだけれど、その人が最近フルタイムの仕事をゲットしたとかが理由で〆切を守らないので(仕事の質は悪くはなかった)、American Manuscript Editors(アメリカン・マニュスクリプト・エディターズ) というオンラインサービスにお願いしてみた。このサービスはドラフトを受け取ってクレジットカード経由での入金を確認してから48時間以内なら一単語いくら、72時間以内なら一単語いくらという感じで価格が設定されているサービス。もちろん、短い時間ほど金額は高くなる。

で、試してみた結論なんだけれど、このサービスにはフリーランスのproofreaderが所属していることもあって、当たり外れがとてつもなくでかい。私は3つのドラフトをお願いしたんだけれど、提示した時間内にproofreadされて戻ってきたのは1つのみ。あとの2つ(48時間のサービスと72時間のサービスでお願いしていた)は時間通りに帰ってこなかった。48時間以内のサービスでお願いしていたproofreader の方はちゃんとdeadline前に「ちょっと遅れます。これから24時間以内に終わらせます」とメールをくれた(宇宙の分野で博士号を持っている方だった!)。また、その後(48 時間以内ではなかったものの)すぐにしっかりとproofreadされたドラフトが来た(さすが博士号を取っているだけあってクオリティーも高かった)。

72時間のサービスでお願いしていたproofreaderからは 72時間を経過しても何も連絡なし。80時間くらい経ったので、連絡フォームからメールを送っても連絡なし。仕方ないのでサービスを展開しているAmerican Manuscript Editorsにもメールを送ってみたものの、これも連絡なし。連絡フォームを通しての連絡手段以外に他の手段が無いので、問題のproofreaderに再度ちょっときつめのメールを送ったところ、私が入金を済ませてから90時間後にようやく返信で「今まだproofreadしています。あと、2〜3時間後にはドラフトをお送りします」とのこと。1時間半くらいしたのちにproofreadされたドラフトが戻ってきたんだけれど(入金してから91.5時間。マジで金返して欲しい)、クオリティーが最悪で、しかも1時間くらい前からproofreadを始めたのが記録からバレバレ。私にメールを出してから仕事を始めたのではないか・・。

ということで、もうAmerican Manuscript Editorsはいいかなと思った次第でした。米国の大学院で博士号を取ろうとしている人間が(ってもう言ってもいいと思う)、こんなサービスを使わなければいけないというのは、この5年間で私が英語にマジメに取り組んでこなかったから。こんなサービスに頼らないで独り立ちできるようもっともっと努力しなければなりませんな!ともかく、明日からまた切り替えて少しでもいい博論にしていこう。

博論の終わりにずっと聞いていた曲はショパンでした。ショパンは修論執筆のときによく聴いていた。原点回帰のような感じ。


# by kanjokyoiku | 2015-03-26 02:29 | 日常雑記

第一稿脱稿!

3月19日。祖母の誕生日に第一稿を脱稿させた。とりあえず、最後まで書ききった。第一稿であれ、博論が世に生まれたというこれまでにない充実感。学期末にタームペーパーを出し終えたあとの充実感とは違うタイプの充実感。昨晩は脱稿した午後8時くらいからオフ。頭を空っぽにする。

今日は、昨日脱稿したものやこれまで書き上げたものをじっくり読んで、全体の構成を整える作業。昨日の充実感で気が抜けてしまったのか、あんまり思ったよりも進まず。けっこうな量なので、この作業を終えるのは明日の夕方くらいになりそうな予感。これからはただただカイゼン作業。これまでとは違うタイプの忍耐力が試されている。ナポレオン曰く、最大の危機は勝利の瞬間にあり。最後まで粘り強く頑張ろう。
# by kanjokyoiku | 2015-03-21 00:21 | 日常雑記
今朝、米国からすごいニュースが飛んで来た。優秀な同期のなかでもずば抜けて優秀な友人が全米トップランクの大学(アイビーリーグ)の助教授(テニュアトラック)に決まったとの知らせ!!

この人は英語が母語ではない欧州からの留学生なのだけれど、初めて会ったときからすでにプロ意識がずば抜けていた。私にとって同僚のなかで常に目指すべきところにいた人だし、彼女が査読論文を出版するたびに「もっと頑張らんといかんなー」と刺激を受けてきた。米国人にありがちな優秀だけれどツンツンしているタイプとは全く異なり、とっても謙虚。彼女の学ぶ姿勢や研究論文出版への執念などからたくさんのことを学んできた。

今でも覚えているのは、1年目か2年目のときのこと。「学校を終えたら、就職どうする」なんて話を留学生同士で話していた。「祖国の教育システムは終わっているから、米国に残りたい」とか「いや、私は家族が祖国にいるから帰国したい」とかぺちゃくちゃ話していたのだけれど、彼女は「私は米国に残る」と最初から宣言していた。彼女の祖国はさまざまな問題を抱えていることがあって、残念ながら教育システムもよろしくない。前にも書いたかもしれないけれど、米国の博士課程というのはベンチャーキャピタルみたいなもので、見込みのありそうな学生にガッツリ給料を与えて研究をさせる。研究者としてモノになるかならないかは、そのチャンスをものにした人の努力と運で決まる。彼女のような卓越した能力のある人は競争の激しい米国でもサバイブして、いつか米国社会に利益をもたらしてくれる(留学生でチャンスをモノにできなかった人間は当然のことながら帰国となる)。優秀な人は残り、そうでない人は去っていく。米国のアカデミアというのはタフじゃない人にはしんどいところだけれど、競争心のある人にとってはこんなにスリリングな環境はなかなかないと思う。

私は過去5年間、ずっと彼女から刺激を受けてきたけれど、私が彼女のように同僚の誰かに刺激を与えられる存在でいたことがあるかと思うと、ちょっと心もとない。私の同僚は、全員私よりもはるかに素質がある(私は基本的に泥臭い努力しか出来ない)。そんな私が同僚に刺激を与えられるような存在になるためには、今のような生半可な努力ではなく、もっと工夫して力をつけていくことしかなかった気がする(ただ、私はそれが未だにできていない)。

私は高校時代に応援団長をしていたこともあるせいか(?)、 誰かにインスパイアーされているということを意識しながら生活している(気がしている)。私に常にとてつもない刺激を与え続けてくれている彼女の存在には(彼女はそんなことを意識していないないにせよ)今でもスゴく大きな刺激をもらっている。私は彼女からずっとインスパイアーされてここまで来たけれど、私は彼女に刺激を与えられるだけの存在になっていない(それがすごく残念だし、個人的には彼女に申し訳ない気もしている)。

人は一人では成長しにくい。刺激を与えてくれるいい人に出会うことがとても大切だ(これは米国で学んだ大きな教訓だ。私の偏見では、だから米国のパーティーでもなんでも、刺激を求め続ける優秀な人というのは格下のつまらん人に時間を割く時間がないんだと思う。米国に行った当時は、「冷たいなあ」と思ったけれど、一緒に過ごすうちに「彼ら/彼女たちはただただ刺激を求めているのだ」ということに気がついた。)。私もいつか彼女にもらった刺激を他の誰かではなく彼女にお返しできるよう、どんな環境にいようともこれからも力をつけていきたいと思う。
# by kanjokyoiku | 2015-03-13 01:28