人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログ再開しました!


by kanjokyoiku

友人のハッピーニュース!

今朝、米国からすごいニュースが飛んで来た。優秀な同期のなかでもずば抜けて優秀な友人が全米トップランクの大学(アイビーリーグ)の助教授(テニュアトラック)に決まったとの知らせ!!

この人は英語が母語ではない欧州からの留学生なのだけれど、初めて会ったときからすでにプロ意識がずば抜けていた。私にとって同僚のなかで常に目指すべきところにいた人だし、彼女が査読論文を出版するたびに「もっと頑張らんといかんなー」と刺激を受けてきた。米国人にありがちな優秀だけれどツンツンしているタイプとは全く異なり、とっても謙虚。彼女の学ぶ姿勢や研究論文出版への執念などからたくさんのことを学んできた。

今でも覚えているのは、1年目か2年目のときのこと。「学校を終えたら、就職どうする」なんて話を留学生同士で話していた。「祖国の教育システムは終わっているから、米国に残りたい」とか「いや、私は家族が祖国にいるから帰国したい」とかぺちゃくちゃ話していたのだけれど、彼女は「私は米国に残る」と最初から宣言していた。彼女の祖国はさまざまな問題を抱えていることがあって、残念ながら教育システムもよろしくない。前にも書いたかもしれないけれど、米国の博士課程というのはベンチャーキャピタルみたいなもので、見込みのありそうな学生にガッツリ給料を与えて研究をさせる。研究者としてモノになるかならないかは、そのチャンスをものにした人の努力と運で決まる。彼女のような卓越した能力のある人は競争の激しい米国でもサバイブして、いつか米国社会に利益をもたらしてくれる(留学生でチャンスをモノにできなかった人間は当然のことながら帰国となる)。優秀な人は残り、そうでない人は去っていく。米国のアカデミアというのはタフじゃない人にはしんどいところだけれど、競争心のある人にとってはこんなにスリリングな環境はなかなかないと思う。

私は過去5年間、ずっと彼女から刺激を受けてきたけれど、私が彼女のように同僚の誰かに刺激を与えられる存在でいたことがあるかと思うと、ちょっと心もとない。私の同僚は、全員私よりもはるかに素質がある(私は基本的に泥臭い努力しか出来ない)。そんな私が同僚に刺激を与えられるような存在になるためには、今のような生半可な努力ではなく、もっと工夫して力をつけていくことしかなかった気がする(ただ、私はそれが未だにできていない)。

私は高校時代に応援団長をしていたこともあるせいか(?)、 誰かにインスパイアーされているということを意識しながら生活している(気がしている)。私に常にとてつもない刺激を与え続けてくれている彼女の存在には(彼女はそんなことを意識していないないにせよ)今でもスゴく大きな刺激をもらっている。私は彼女からずっとインスパイアーされてここまで来たけれど、私は彼女に刺激を与えられるだけの存在になっていない(それがすごく残念だし、個人的には彼女に申し訳ない気もしている)。

人は一人では成長しにくい。刺激を与えてくれるいい人に出会うことがとても大切だ(これは米国で学んだ大きな教訓だ。私の偏見では、だから米国のパーティーでもなんでも、刺激を求め続ける優秀な人というのは格下のつまらん人に時間を割く時間がないんだと思う。米国に行った当時は、「冷たいなあ」と思ったけれど、一緒に過ごすうちに「彼ら/彼女たちはただただ刺激を求めているのだ」ということに気がついた。)。私もいつか彼女にもらった刺激を他の誰かではなく彼女にお返しできるよう、どんな環境にいようともこれからも力をつけていきたいと思う。
by kanjokyoiku | 2015-03-13 01:28